伝えられるのは生きてるうちだけ

今日は、色々と考え直す日になった。

ここ最近おばあちゃんが入院してて。

でも、今日はお見舞いに行くことを突然決めて、行って驚かそうかなくらいに思ってた。

おばあちゃんが好きな、氷川きよしのDVDを二つと、何か新しい映画を持って行こうかと、フラフラと選んでゆっくり病院に向かってた。

でも、何か欲しいものは無いか聞こうと、何度か電話したけど繋がらなくて、寝てるんやと思ってた。

病室について、カーテンを開けた。

様子がおかしかった。

入れ歯が布団の上に転がってて、足がベッドからたれてる。

イビキが凄い。

呼びかけても返事がなくて、不自然な動作と、うめき声。

おかしい。

突然のことで、冷静さはあった。ので、ナースステーションで数時間前の様子を聞いて、今の状態を伝えた。

看護師さんと先生達が慌ただしくベッドを囲みだす。

ワタシは、
手を握る。呼びかける。先生達の会話を出来るだけ聞く。泣くのを、我慢する。を、してた。

冷静だと思っていたけど、混乱しているのを、お母さんに電話した時に気づいた。

上手く伝えられない。
言葉が詰まる。ちゃんと伝えなきゃいけない、けど、何が起きてるのかがまだハッキリしない。何て言えばいいのか?

母も大変な時で、心配させたくなかったけど、上手く言えない。

突然過ぎること。?
いや、覚悟はどこかでしていたハズやけど、まだ早すぎると思っていたし、

こうなっても後悔しないように、出来るだけ見て来たつもりだった。

けれど、やっぱり後悔した。

もっと早く来ていたら。来れたのに。なんで歌ってたんやろう?

何日か電話がなかったことをもっと気にしていたら。あの時、もっと優しく聞いて、手のマッサージも沢山してあげればよかった。

ちゃんと手を握ることを、何故かためらってたから、今日こそはと、決めてきたのに。

遅かった。

声が、届かない。会話が出来ない。手を握っても握り返してくれない。どんなに呼んでも触っても、反応がない。

覚悟した。

でも、もう一度、会話がしたい。こんなのはあんまりだって思っていた。

1時間が経った。先生達は検査をしたり呼びかけなんかを続けてるけど、おかしいおかしいと、首を傾げて考えてる。

もう、なんでもいいから目覚めて欲しかった。

そしたら

一本の注射を点滴にした瞬間に

「う、あ、ああーーー」

って声とともに、動かなかった身体が一気に動いた。

「お?!!」って、先生とワタシ。

言葉が出た!

その第一声が
「か、かゆい…ここ、…かいて」

だった。

一気に緊張がとけた。

嬉し過ぎて、笑えて、涙が溢れてきて、止まらんくて、そんなもんいくらでもと思った。

また、会話が出来た。

結局、原因は低血糖によるもので、糖尿病の薬の効き過ぎだった。

低血糖になると、結構恐ろしいことになる。 こうやって意識不明になるし、それが長時間続けばもちろん脳にも影響が出る。

幸い、ワタシの発見が早くて、助かったけど…。

大きな病院でも、こんなことになるんやと、お医者さんでも、なんでもすぐに分からないんだと、

改めて、誰もがただの、十人十色の

「人間」であることを知った。

誰も何も責められない。誰もが予測出来ないこともあるし、誰もが自分に精一杯。

誰も、責められない。

ただ、また会話が出来ること、手を握り返してくれること、わがままを聞いてあげれること、ちゃんと手を握ってあげれることを

凄く尊くおもえることが出来て、本当によかったと思いました。

泣いて安堵する母と、弟の喜んだ声と、家族みんながちゃんと繋がっていれてるんやってことを、

おばあちゃんを通じて再確認できてる今。やっぱり経験していかないとなんにも分からないんやなって、

こうやってみんな気付いていくもんなんやって、思いました。

ワタシは祖父2人の死に際も見ていたので、もっとちゃんと死について理解出来てると思い込んでいた。

が、今回、病気が進行していく様子、環境の変化を1番身近で見てきて、やっぱり、全然また違うことを感じるし、知らなきゃいけないことも多いし、

なにより、自分じゃない命の終わり方を決めていく。

なんて、そんなこと、考えてもみなかった。

これはきっと、ギリギリまで決められないとおもう。

この先、一体どれだけあるのか分からないけど、

この奇跡的な出来事で、間違いなく、接し方や考え方を見直せるから…

出来事るだけ、おばあちゃんに幸せだと感じてもらっていけるようにしたいと、思う。

ああ、長々と読んでくれた方、ありがとう。

拙い文章ごめんなさい。あえて、飾らずにそのまま。

皆さんも、最期に悔いがないようにと、何か伝わればと思い、書きました。

サヨナラは本当に突然きます。

大切な人は離さないで、出来るだけ素直な気持ちを、日々伝えておいてください。

うん、簡単そーで、難しいことやけどね(笑)

ありがとう。

あーーーーーー、

びっくりさせるはずが、びっくりさせられた日でした。

…よかった。

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